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つれづれなるままに,日々雑感を書き込んでいきます。。。
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物上代位権の行使時期(vs道垣内)
昨日の記事の補足です。

自分の考えばっかり書いてると全然信憑性が足りなくなるので,ここでは反対意見を紹介します。


道垣内155頁には,以下の記述があります。

代替的物上代位は,抵当権の抵当不動産の全部または一部の滅失に際して問題になるものであるから,抵当不動産所有者等に対して抵当権侵害に基づく損害賠償を行うときに準じて,被担保債権の弁済期の到来は不要だと解すべきである。



しかし,私はこの考えをとりません。あり得る考えだと思いますが,判例もこの考えはとらないと思っています。


同じく道垣内の186頁には,「判例は,抵当不動産の価値減損のため被担保債権の満足が得られなかったときに限り損害があるといえる,とし,抵当権実行時,または,被担保債権の弁済期到来後で抵当権実行前における損害賠償請求権行使時を基準として」「被担保債権の弁済を受けるに足りるか否か」は判断すべきとしている,とあります。

この判例は,両方とも昭和一桁台のときの大審院判例ですので,現在も維持すべきかについては異論がありえます。

抵当権侵害そのものをもって「損害」を観念することも可能だと思います。

しかし,択一の肢では,やはりこの判例を前提として出題されているように思いますので,とりあえずはこの判例は現在においても維持されていると(とりあえず)考えていいと思います。


仮に,被担保債権の弁済期到来前に損害賠償請求をなしうるとしても,それは相手方に故意・過失がある場合に限られます。(なお,この道垣内の一連の記述は,「債務者・設定者・抵当不動産所有者に対する請求」であり,第三者に対する請求ではありません)

そして,抵当不動産所有者等に対して抵当権侵害に基づく損害賠償請求をなしうるときには,137条2号による期限の利益の喪失を認められることがほとんどだと思います。

他方,今問題になっているのは,抵当不動産所有者等に滅失・毀損についての故意・過失がない(それどころか,これらの者の行為にすらよらない)場合ですので,そもそも抵当権侵害に基づく損害賠償請求をなしうる場面ではないように思います。

したがって,「抵当不動産所有者等に対して抵当権侵害に基づく損害賠償を行うときに準じて」という前提自体に誤りがあると思います。


また,被担保債権の弁済期の到来を待たずに物上代位の行使を認めたときに懸念されるのが,lyoumaさんと教授とのやり取りにあったように,保険金等を利用して建物を立て替える利益を抵当不動産所有者等から奪ってよいのか,ということです。

特に,これらの者に何の落ち度もない場合にまで,特約もなしにかかる不利益を認めてよい,というのは,躊躇を覚えます。

そして,被担保債権についての弁済期の到来まで物上代位の行使が認められないとしても,物上代位権が行使できなくなるわけではないのであれば(その説明については,先の記事にあるとおりです),やはり原則どおり,弁済期の到来まで物上代位の行使は認められないとするのが妥当なように思います。


なお,道垣内氏は,「もっとも,多くの場合,抵当不動産の滅失・損傷時には約定により被担保債権の弁済期が到来することが多いであろうから,理論的問題にすぎない。」と括っておられます。





さて,これについて調べているうちに,全然関係のないところで新たな疑問が浮かび上がってきました。

平成13年10月25日の最判は,配当要求をもって抵当権に基づく物上代位の行使はなしえないとしています。

他方,先取特権については,配当要求をもって物上代位の行使をなしうるかのようにみえる判例があります。


はて,先取特権と抵当権で,どこが違うのかしら?


判例の根拠は,民執154条です。

条文解釈としてはこれで十分のように思います。

しかし,なぜ条文が抵当権の場合に配当要求を認めていないかを考察しなければ,判例の射程等を論ずることはできません。


一番いい方法は,先取特権についても,配当要求の方法による物上代位の行使を認めないことです(中野・707頁(道垣内66頁より))。


次にいい方法は,先取特権の場合に配当要求による物上代位の行使を認めたかのように見える判例は,先に一般債権者として差押えないし仮差押えがなされた場合に限定してとらえるべきである,と考えることです(生熊『わかりやすい民事執行法・民事保全法』274頁)。

この考えによる場合は,抵当権者についても,一般債権者として差押え等をすれば配当要求をなしうるのか,という疑問が残りそうです。


そして,道垣内は,先取特権の場合については配当要求によって権利行使が可能としつつ(66頁)抵当権の場合は「先取特権に基づく物上代位の場合とは別異に考えるべきである」として,配当要求による優先弁済権の行使はできない,と解しています(156頁)。

道垣内では条文による理由付け以外はありませんが,この考えによる場合は,なぜ抵当権と先取特権で異なる立法がなされているかを考える必要があると思います。

立法の過誤なら,類推適用を認めるということもやぶさかではないように思われます。



後ろは完全にメモ程度です。また考えてみます。


しかし,抵当権の場合に配当要求で物上代位を行使できないという判例は,すっかり抜け落ちていました。

なんというか,ぼろぼろ覚えていたことが抜けていてショックです。。。


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